
姿勢が悪いとほうれい線ができる?
顔のたるみを予防するならキレイな姿勢づくりから
歳を重ねるとともにできやすくなるほうれい線ですが、その原因は加齢だけに留まりません。じつは普段の姿勢も、ほうれい線の発生を左右します。ほうれい線と姿勢の関係性を知り、予防・改善に役立てましょう。
姿勢が悪いとほうれい線が深くなる
頬に深く刻まれるほうれい線は、顔を老けた印象に見せる厄介なもの。加齢とともに目立ち始めることも多く、エイジングケアで対策をとる方も多いでしょう。しかし、歳とは関係なくほうれい線ができることもあります。じつは普段の「姿勢の悪さ」も、頬をたるませてほうれい線を作る要因です。
現代社会で姿勢が悪くなる原因はいくつも考えられますが、特に気をつけたいのはパソコンやスマートフォンをはじめとした電子機器の使い方。これらの電子機器を使っていると、長時間同じ姿勢で過ごすことになり無意識のうちに悪い姿勢になりがちです。たとえば背中を丸めた猫背は、顔のたるみを引き起こし老け顔を加速させるため、おすすめできません。
なぜ姿勢が悪いと顔がたるむのか
ふと自分の姿勢を意識したとき、顔を前へ突き出した状態になってはいないでしょうか。通常であれば、体の重心は背骨を中心にまっすぐ通ります。しかし、姿勢が崩れ頭が突き出ると、重心を背骨で支えられなくなるために、顔の皮膚を支える筋肉が衰えていくのです。
また姿勢によって筋肉が衰えるのは、顔に限った話ではありません。顔や首、体の筋肉はすべてつながっています。特に顔全体の筋肉は、背中にある僧帽筋(そうぼうきん)が引っ張ることでたるまないよう支えられていますが、姿勢の悪さは僧帽筋の緩みを引き起こす大きな要因。正しく使われない筋肉はやがて衰え、顔の皮膚を支えられなくなるでしょう。さらに姿勢が悪いと血行も悪化し、顔に老廃物が溜まりやすくなるというデメリットもあります。
悪い姿勢とは
現代人に珍しくない「猫背」は悪い姿勢の典型です。背中が丸くなり、顔を突き出したような姿勢は、ほうれい線の原因ともなりやすい状態。4、5kgほどもある人間の顔を、重心が整っていない状態で正しく支えることは無論できません。
あごが前に突き出ることで、頭、顔、首の筋肉と背中の筋肉のバランスが崩れてしまい、顔が下方向に引き伸ばされやすくなります。これは猫背によって首・肩の筋肉が縮み、同時に顔の筋肉も下方向へ引っ張られてしまうことが原因です。こうなると自然と頬はたるみ、いわゆるブルドッグ顔になる恐れがあります。猫背の基準ですが、横から姿を見たときに頭部が肩よりも前に出ている人は注意が必要です。
正しい姿勢とは
正しい姿勢をとると、あご、胸、腰にかけては緩やかなS字カーブを描き、背骨の両脇にある筋肉が柔らかい状態に保たれます。こうした姿勢を維持すれば、適度な筋肉がつくとともに健康的な体づくりへとつながり、さらに代謝が上がってダイエット効果が高まるなど、多くのメリットが得られるでしょう。
人体の構造上、立った状態のほうが座っているときよりも正しい姿勢を作りやすいものです。まずは、まっすぐ立ったときの腰のカーブを覚えておき、座っている間もその形をキープするよう目指しましょう。正しいカーブの描き方は、腰に両手を当て、背骨の脇にある筋肉を触ることで確かめられます。前かがみの体勢から徐々に上体を起こし、筋肉が柔らかくなるポイントを探しましょう。
姿勢を意識することを習慣に
美しい姿勢を保つために大切なのは、意識づけです。良い姿勢を習慣化させるために、1日に数回、短時間でも正しい姿勢を意識してみましょう。背中が丸まらないよう気を張っていれば、自然と筋力もついて、正しい姿勢をキープしやすくなります。最初は疲れるかもしれませんが、無理のない範囲で「毎日継続すること」を目標にしてみてください。特に、食事中の姿勢を正すよう意識することは、摂取した食物の消化吸収にも役立ちます。